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相続・遺言に関する手続き

相続・遺言に関する手続き

1.相続とは? 2.相続手続きの流れは?
3.相続税の申告期限とは? 4.相続税が払えないときは?
5.相続財産の処分手続きは? 6.法定相続人および法定相続分は?
7.遺留分とは 8.相続対策として生命保険は重要!
9.相続手続きの依頼に関して 10.相続にかかわる費用について
11.遺言とは? 12.遺言が必要と思われるケースとは?
13.遺言の方式は? 14.遺言の内容は?
15.遺言作成のポイント 16.遺言をつくる際の手順
17.遺言執行者の必要性 18.遺言書の検認手続きとは?
19.死因贈与について 20.事業の継承も検討していますか?
21.位牌は誰が守るのか? 22.遺言の相談をすべき専門家は?

1.相続とは?

相続とは、亡くなった人の権利義務を、法律及び亡くなった方の最終意思として特定の方(主に相続人)に承継させることです。相続は死亡によって開始します。

相続を巡る争いも少なくないようですが、争いがない場合でも様々な手続が必要です。
また、相続する遺産が少ない方でも様々な手続が必要です。

相続は一生のうちに何度も体験するものではありませんので、ご自分で処理しようとしても経験がないために余計に時間がかかってしまいます。
また、相続人である方が相続の手続きをすると、遺産分割が本当に公正に行われているかどうか、他の相続人が疑いをもつかもしれません。特に、兄弟姉妹間など近い親族間で、そのような疑念が浮かんでしまうと、相続が終了した後の付き合いの悪影響が心配されます。仲の良かった兄弟が、親の相続を境に交流がなくなってしまうことも少なくありません。
このような疑念を抱かないためにも、相続手続きは相続に関係のない第三者に任せたほうがいいでしょう。

当事務所では、相続にかかわる手続きのお手伝いを致します。相続不動産の登記・相続税の手続き等についても税理士・司法書士と提携しスムーズに対応致します。
当事務所は沖縄県那覇市にありますが、近隣市町村及び沖縄県内のご依頼については即座にお伺いしアドバイスを致します。お気軽にご相談下さい。
遺言書の作成のお手伝いも致します。

2.相続手続きの流れは?

遺言書の有無の確認

『公正証書遺言』がある → 公証役場に問い合せ
『公正証書以外の遺言』がある → 家庭裁判所の検認(開封不可)

遺産分割協議の前に

1.相続財産の確定(財産目録の作成)
1 財産の確認
プラスの財産
貯金/預金,有価証券,債権,不動産,特許権,車両,抵当権,著作権,工業所有権,高額な美術品 など
マイナスの財産
借金債務,損害賠償債務,税金,医療費 など
2 資料の収集
土地・家屋の謄本,土地・家屋の権利証,契約書,生命保険,貸金,借金,葬儀費用の関係書類,その他
3 財産の評価
不動産 : 謄本取得 → 評価証明書の取得
株式  : 上場株式と非上場株式で評価方法異なる
美術品 : 専門家の鑑定
2.相続人の確定(相続関係説明図作成)
1 被相続人の除籍謄本(又は改製原戸籍謄本)取得
被相続人の戸籍謄本→その前の戸籍謄本:出生までさかのぼる
2 相続人の戸籍謄本取得
相続人の戸籍謄本取得(法定相続人、死亡の場合はその代襲相続人等)
3 相続人の確定
欠格者/排除者の調査
相続関係説明図の作成
遺産分割協議から相続終了まで
1 遺産分割協議
相続人の全員での協議。 一人でも欠けると無効となるので注意しましょう
 → 遺産分割協議書作成 (相続人全員の実印・印鑑証明書)
2 相続の承認・放棄
債務が相続する遺産より多い場合は、相続の放棄ができる
債務の額がわからないときは、相続の限定承認ができる
 → 家庭裁判所への手続き (被相続人死亡後 3ヵ月以内)
3 被相続人の所得税の申告(準確定申告)
 → 税務署への手続き (被相続人死亡後 4ヵ月以内)
4 相続税の申告・納付
 → 税務署への手続き (被相続人死亡後 10ヵ月以内)

相続税の基礎控除とは?

課税対象の相続財産から課税される財産額を算出して、相続税の基礎控除額を差し引いたものが、「課税遺産総額」となります。
相続1回の基礎控除額は、5,000万円で、法定相続人1人当り1,000万円が加算されます。その他の控除もあります。
5 相続の実行
遺産分割協議書により、登記・遺産分配・名義変更等を行う

3.相続税の申告期限とは?

1 通常、税金の申告期限というのは、同時に納付期限を意味しています。納税が必要なケースでは納付金の準備が必要です。
葬儀の後、落ち着いてから遺産を調べたり、自分の知らない相続人の有無を確認したり、不動産の評価を調べて、やっと分割協議までこぎつけても、簡単に話がまとまらない。 そんな状況でも、相続税の申告期限は迫ってきます。慌てて相続税を試算してみたら、「税金を払う必要があるようだ」が、その額が思ったよりも多いというケースも見られます。
さらに、控除や特例という有利な制度も、申告期限内でなければ活用できなくなります。
相続開始当初から10ヶ月間で、様々な手続きを進めることが必要です。

注意:特例は申告が必要です

相続の際、以下のものは申告してはじめて有効になります。
「配偶者の税額軽減特例」や「小規模宅地等の評価減の特例」、また配偶者間の贈与の「住居の贈与税配偶者控除」などの控除や特例は、本来納税の対象となる財産に関して、特別に減額を認められるものです。
ただし、遺産分割をすませて10ヶ月以内に申告・納付しなければ無効となります。

4.相続税が払えないときは?

相続税を計算した結果、予想外に高額で、大金を今すぐ用意できない。また、相続した財産の大半が不動産で、売って現金に換えることもできそうにないというケースもあるでしょう。

1 税金の納付は現金が原則ですが、相続の場合は、「延納制度」が特例として認められています。
退職金や貸付金を返してもらうなど、その他の収入が見込めるときは、5年以内の延納が認められています。また、相続財産の大部分が土地などで、すぐに現金化しにくい場合は20年間の延納も可能です。
ただし、いずれも一定の利息を払う必要があります。
2 また、相続したために、延納という借金をするのはイヤだ、という相続人には「物納制度」があります。 ただし、物納できるものは限られていて、優先順位も定められています。自分には要らない財産で物納することはできません。その優先順位は、
1.国債 ,地方債
2.不動産 ,船舶
3.社債 ,株式・証券投資信託と貸付信託
4.動産
と定められています。

相続税は、いったいいくら必要なのでしょうか?

相続税率
課税標準 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円

最高税率は50%に引き下げられました。

5.相続財産の処分手続きは?

遺産分割協議で相続人間の合意ができて、相続人ごとの相続財産が決まっても、その権利を公にしなければ、自分の財産は守れません。
また、少額の預金でも、名義変更をおろそかにしていると、次に発生する相続の際に証明が必要(とても手間がかかります)となりますから、すべての財産の移転手続きや名義変更手続きをしておきましょう。

※提出書類
① 除籍謄本(又は改製原戸籍) , ② 相続人戸籍謄本 , ③ 住民票 , ④ 相続人印鑑証明書 , ⑤ 遺産分割協議書

種類 手続き 必要な書類 書類提出先
不動産
土地
建物
不動産/土地/建物 所有権移転登記 ①,②,③,④,⑤,
固定資産税評価証明書
法務局
軍用地 名義変更 ④,登記簿謄本,(委任状) 防衛施設局
国土交通省
預貯金 名義変更・解約 ①,②,③,④,⑤,
通帳・証書
金融機関
生命保険金 交付申請 ①,②,④,
生命保険証券,死亡診断書
生命保険会社
株式 名義変更 ①,②,③,④,⑤,
株券(預かり書)
証券会社
自動車 名義移転登録 ①,②,④,⑤,
車検証,自賠責保険証書
陸運事務所

※ 電話加入権については、NTTその他電話会社へ ①,②,④を提出
借地借家の場合も名義変更が必要です。
事前に地主または家主に必要な書類を確認しましょう。
これらの財産移転・名義変更などには、数多くの書類を揃えて、煩雑な手続きが求められますから、行政書士など専門家の手助けが必要になります。

必要な添付書類は、被相続人の除籍謄本(又は改製原戸籍謄本)と、相続人の戸籍謄本住民票、分割協議書と各相続人の印鑑証明書です。(複数用意しましょう)

6.法定相続人および法定相続分は?

1 法定相続人・・・配偶者(内縁を含まない)は常に相続人となります。第1順位は子、第2順位は直系尊属、第3順位は兄弟姉妹です。配偶者は、左で述べた相続人とともに相続人となります。
2 配偶者と子がいる場合の法定相続分・・・配偶者2分の1、残りの2分の1を子で均等に分けます。なお、例外として、非嫡出子は、嫡出子の2分の1です。
3 配偶者と直系尊属がいる場合の法定相続分・・・配偶者3分の2、残りの3分の1を直系尊属で均等に分けます。この場合、直系尊属は近い代の者のみが相続人となります。たとえば、被相続人に、祖父と父がいる場合、父のみが相続人となります。
4 配偶者と兄弟姉妹がいる場合の法定相続分・・・配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1です。兄弟姉妹では均等に分けます。例外として、半血の兄弟姉妹は、全血の2分の1となります。
5 相続人となるべき者が被相続人より先に死亡している場合、代襲相続が認められています。たとえば、被相続人の子が被相続人より先に死亡している場合、子に子供つまり孫がいれば、孫が相続人になります。ただし、子が生きていて、相続を放棄した場合、孫は代襲相続できません。

以上をまとめると、下表のようになります。

法定相続人 配偶者 直系尊属 兄弟姉妹
配偶者と子 1/2 1/2
配偶者と直系尊属 2/3 1/3
配偶者と兄弟姉妹 3/4 1/4
子と直系尊属 全部
子と兄弟姉妹 全部
直系尊属と兄弟姉妹 全部

7.遺留分とは?

遺留分とは、相続人としての権利をいいます。
兄弟姉妹には遺留分が認められていません。たとえ法定相続分が民法で定められていても、自分に相続させない遺言があれば、相続人となりません。遺留分の請求もできません。
遺留分は、相続人が直系尊属のみの場合は1/3。その他は1/2です。

遺 留 分
法定相続人 配偶者 直系尊属 兄弟姉妹
配偶者と子 1/4 1/4
配偶者と直系尊属 1/3 1/6
配偶者と兄弟姉妹 1/2
子のみ 1/2
直系尊属のみ 1/3
兄弟姉妹のみ

※配偶者と子が3人の場合、配偶者の遺留分は1/4、子はそれぞれ1/12の遺留分を有しています。

8.相続対策として生命保険は重要!

1 大事な財産として居住用不動産があります。これを遺産分割でバラバラにするわけにはいきません。その場合、相続人Aには不動産を相続させ、同時に生命保険金も取得させる。そのうえで、生命保険金からを他の相続人に、不動産の代わりにお金を渡すということで納得してもらうことが可能となります。これは事業用資産・株式の場合にも有用です。
2 相続税を支払わなければならないと予想されるときは、納税資金として、生命保険金を考える必要があります。
3 相続財産として現金預金を遺すよりも、生命保険金として遺すほうが、相続税は有利です!
4 借金が多くて相続人になにも遺すことができない、そんな状況でも生命保険は別です。相続放棄しても、生命保険金は受け取れます。検討しましょう。
5 事業者の場合、代替わりの際に何かと出費を強いられる場面が多いものです。そんなのときのために現金を確保しておきましょう。生命保険金は事業存続のためにも必要になってきます。
6 遺産である不動産を売却した場合、譲渡所得税がかかります。また、急いで売却することになって、いい条件で売却できるかどうかわかりません。

9.相続手続きの依頼に関して

相続手続を当事務所に依頼される場合は、相続の権利のある方が直接ご依頼下さい。
相続では、手続きを行なう上で家族関係・財産関係などの調査が必要となりますので、権利の無い方からのご依頼は、通常お断りしています。相続の権利のある方が直接ご依頼できない場合は、理由を明確にして頂き、後日こちらからご本人様に相続手続依頼の意思の確認をさせて頂きます。
なお、亡くなった方の配偶者・子・両親の場合は、問題ありません。
(特に亡くなった方のご兄弟の場合は注意して下さい)

相談時にお持ち頂くもの

  • 亡くなった方の戸籍謄本または住民票の写し
  • ご依頼される方の戸籍謄本または住民票の写し
  • 固定資産税の請求書(手元にあるものすべて)

相続手続きで必要となる書類等については相談時に説明致します。

相談費用

相談費用として5,250円/1時間を頂きます。(面談の場合)
相続手続を正式にご依頼される場合は、本費用は着手金の一部とさせて頂きます。

10.相続にかかわる費用について

費用については一概にいくらということはできません。
主に土地の登記分の費用がいくらかかるかによって大きくかわります。
(評価額で決める方法と、登記数により決める方法があります)
相続人が多数いる場合は、取得する戸籍謄本が膨大になります。
これによっても変動します。

総費用の提示は、相続財産・相続人の確定後となります。
それまでの間は着手金にて運用致します。
 参考:相続財産が一戸建の場合約30万+α

業務依頼時
着手金のお支払いをお願いします。通常5万円からとなります。
遺産分割協議前の業務についての前払金となります。
途中キャンセル時の返金には応じられません。
相続財産と相続人の確定時
確定までの費用の全額または相続終了までの費用の1/2を払って頂きます。この時点で、相続終了までの全費用を提示します。
遺産分割協議書完成時
遺産分割協議書に相続人全員の捺印がされたときを完成時とします。
最終的な金額のお支払をして頂きます。
尚、途中精算時の提示費用に対して、追加依頼があった場合等は費用が加算されますのでご注意下さい。
※登記に必要な費用については、司法書士と相談して下さい。

11.遺言とは?

遺言とは、遺言者の死亡とともに一定の効果を発生させることを目的とする単独行為です。 遺言しなければならないという決まりはありません。
しかし、遺言を残しておけばよかったという事例は数え切れないほどあります。

遺言がないために、残された肉親同士で遺産争いを繰り広げることになっては、ご本人も 悔やみきれません。
生前に自分の財産などについて遺言を作成することが、後々のトラブルを防ぐ有効な手段といえます。
ご本人のためと言うよりも、残される家族のために遺言を作成しておくべきでしょう。

また、相続について間違った考えをお持ちの方もいらっしゃるようです。
長男が家などの不動産を相続し、その他のものが残った財産を受け取ることが当然だと考えている方もいらっしゃいます。家などの不動産は今のままの状態で、長男に相続させたいと言う気持ちなのでしょうが、法律上はそのようにはなりません。

相続されるお子さんは欲が深くないから、問題はおきないと言う方もいらっしゃいます。
しかし相続が始まると、相続人の意思とは別に周囲の方が相続人に有利になるような様々な助言をしてきます。これに影響されてしまう方もいらっしゃいます。
相続はご本人の希望通りにいかない事が多いのです。
ご本人のご希望をかなえるためにも遺言を作成しておきましょう。

遺言に法律上の効力を持たせるためには、書類の形で残す必要があります。
遺言書の作成を、ご自身だけでやろうとしてもなかなか難しいものです。遺言は、最後の意思表示でもありますから、法律に基づいて細心の注意で作成しましょう。
遺言の書き方など作成に関する様々なお手伝いを致しますので、一度ご相談下さい。
行政書士は法律で「守秘義務」がありますので、安心してご相談下さい。

12.遺言が必要と思われるケースとは?

1 事業や農業等を営んでいる場合・・・事業や農業等の存続を考えると、事業用または農業用の財産を細かく分割させるわけにはいきません。
2 子供のいない夫婦・・・この場合、通常、相続人は配偶者と兄弟姉妹になりますが、相続人間での遺産分割は何かと気苦労の多いものです。また、配偶者に少しでも多く財産を遺したい気持があるはずです。このような場合は、全財産を配偶者に相続させる旨の遺言書を作成することです。
3 再婚して、前の配偶者の元に子がいる場合、または現在の配偶者に連れ子がいる場合
4 本来の相続人が死亡していて代襲相続になる場合・・・このケースでは、血縁関係が遠くなっており、スムーズな遺産分割が難しいことがあるからです。
5 子供が独立して、それぞれ別の家庭を持っている、そして行き来が少ないまたは住居が遠い・・・これも遺産分割がスムーズにいかない典型例です。
6 内縁の配偶者がいる場合・・・内縁の配偶者に相続権はありません!
しかし、内縁の配偶者のことを思えば、遺言しないわけにはいきません。
7 身の回りを世話してくれた人・位牌を守ってくれる人に財産を渡したい・・・このケースは、最近増えています。
8 認知していない子供がいる・・・認知を遺言ですることができます!

13.遺言の方式は?

遺言の方式には、普通方式と特別方式がありますが、通常は普通方式で遺言を作成します。
普通方式には3種類あります。
遺言は書面でしなければいけません。相談を受けていますと、「私は相続人に口頭で自分の財産の相続の仕方を話してあるから大丈夫だ」とおっしゃる方も少なくありません。
しかし、口頭での遺言は法律的には無効です。無効になると、あなたの遺志がいかされないことになってしまいます。

1 自筆証書遺言・・・この遺言は①全文、日付、氏名を ②自書・押印することよりなされる遺言です。 注意したい点がいくつかあります。
2 a すべてを自書するので、書き間違いが生じやすい。その場合の訂正は、自筆で、変更場所を指示し、その部分を変更した旨を付記・署名し、変更場所に押印します。とても面倒な作業ですので、間違いがあったら、最初から書き直すのが一番です。
b 遺言書が数枚にわたる場合は割印を・・・割印がなくても無効になるわけではありませんが、トラブルの元になりますので、割印して下さい。
c すべて自書・・・つまり、手書きです。ワープロはもちろん、ビデオやテープ、ディスクも認められません。
d 日付はしっかり数字で年月日を書くこと・・・平成X年1月吉日などのように、いつか特定できない記載は無効です。
e 書いた遺言書の保管・・・これがとても大事です。せっかく書いた遺言書がみつからなくては、遺言書を書いた意味がありません。信頼できる人に預けるか、遺言書のある場所を伝えておき、自分が死亡した後のことを頼んでおくことです。できれば、弁護士、行政書士のように公的資格のある人に任せるのがいいでしょう。
f なぜ、その遺言書を書いたのかの理由・・・相続・遺産分割をめぐっては深刻な争いになることも少なくありません。それは、遺言書を書いた場合も例外ではありません。遺言書において不利な扱いを受けた相続人からすれば「どうして?」という疑問が生ずるのは当然です。 ですから、なぜ、遺言書を書いたのかにつき、メッセージを遺しておくことが望ましいです。また、ビデオなどを撮って相続人に自分の気持を伝えることも有用です。 さらに、これらによって、遺言書を書いた時、自分が正常な判断能力があったことを明らかにすることができます。後々のトラブルを避けるためには、法律の専門家に依頼することです。
g 相続財産になにがあるのか、遺言をするしないにかかわらず、相続人にわかるようにしておきましょう。
3 公正証書遺言・・・①証人2人以上の立会い ②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述する ③公証人がその口述を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせる ④遺言者と証人が、筆記の正確なことを承認したうえで署名押印 ⑤公証人が方式に従ったものであることを付記し署名押印。この遺言が一番安全確実です。ただし、公正証書遺言であっても、遺言時の判断能力を否定された裁判例もあります。注意する点は次のものです。
a 原案をしっかり検討する・・・公証人に口述する前に、遺言の内容について、よく検討しておくことが必要です。
b 公証人のところにいくときは、遺産のリスト、不動産の登記簿謄本、印鑑証明書、住民票、遺言の原案をもって依頼する。・・・公証人は、とても細かいです。
4 秘密証書遺言・・・この形式の遺言は避けたほうがいいでしょう。どうしても遺言の内容を秘密にしておきたいという場合、慎重に行って下さい。内容が秘密のため、法的に無効な内容のもの、形式不備のものが作成される危険性が高いです。

比べてみると、「公正証書遺言」が遺言の方式としてはもっとも安心できると言えるでしょう。後のトラブル防止のため当事務所では公正証書遺言をおすすめしています。

14.遺言の内容は?

遺言書に記載した内容はすべて保護されるでしょうか?
記載した内容のうち法律が保護してくれる事項や範囲は限られています。
遺言書の書き方にも十分な注意が必要です。
法律で保護される主な遺言事項は次のようなものがあります。

1 相続に関すること
相続分の指定 , 遺産分割の方法 , 遺産分割の禁止
相続人の廃除および取消 , 遺留分減殺方法の指定
2 相続以外の遺産処分に関すること
遺贈 , 寄付
3 身分上の事項に関すること
認知 , 成年後見人などの指定
4 遺言の執行に関すること
遺言執行者の指定

沖縄の公証役場

公証役場 郵便番号 所 在 地 TEL
FAX
那覇合同 900-0021 那覇市泉崎1-4-10 098(862)3161
098(862)4211
沖   縄 904-2153 沖縄市美里1-2-3 098(938)9380
098(938)5131

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15.遺言作成のポイント

1 遺言は書面で・・・遺言は口頭ではできません。テープ、ビデオ、ディスクも認められません。ワープロも自筆証書遺言では使えません。
2 遺言はいつでも取り消せる・・・遺言はいつでも取り消せます。ですから、いったん遺言書を作って、後で作り直すことも自由です。
3 遺言の保管場所・保管人には細心の注意を払いましょう。
4 遺言の内容は明確にかつ冷静にして筋の通ったものを・・・自分だけ遺言の内容を理解していても仕方ありません。相続人にわかり易い内容のものを作りましょう。
5 人名・遺産の表示は、明確・正確に書きましょう。
6 遺言の工夫・・・なぜ自分がこの遺言を書いたかの理由を明らかにしておくことが、相続人のトラブルを回避する知恵です。
7 特別受益・寄与分についても検討しておく・・・やや正確さを欠くかもしれませんが、特別受益とは、生前の贈与ないし遺贈、寄与分とは、自分の財産のために特に尽くしてくれた相続人の尽力に対する功労です。これらは相続分の計算および遺産分割の際の重要事項ですので、遺言でこれらの事項について言及しておくとトラブルを避けられます。
8 生命保険金のことも忘れずに、遺言の内容を考えましょう。
9 遺言の中に説教(例えば「兄弟仲良く」とか「お母さんは大事にしろ」)とか葬式はこうして欲しい、あるいは遺言の動機を書くことは可能です。気をつけて欲しいのは、あまりにもへんな内容を書くと、遺言作成時に正常な状態でなかったとして、遺言そのものの有効性が争われる可能性があることです。極端に宗教色の強い内容、突飛な行為を要求するような内容は注意です。
10 不動産については、売却されると税金、売却価格などの問題が生じることも考慮しておきましょう。
11 認知は遺言でできます!!

16.遺言をつくる際の手順

1 なぜ自分は遺言をしようとするのかの動機・目的を明確にする・・・これが基礎になります。子供に遺産分割でもめて欲しくないなら、皆が公平だと思うようなものを作らなくてはいけません。また、ある相続人にはこの不動産を遺してやりたいというなら、その不動産が相手にしっかり渡るような内容にしなければなりません。
2 自分の遺産には何があるかを把握する・・・これもとても大事なことです。遺産に何があり、どれくらいのものなのかわからなければ、とても満足のいく遺言はできません。また、遺された人達のためにも、どういった財産があるか明確にしておきましょう。

→ 現金,預金,不動産,動産,株式等,位牌等,債権,車など

3 事業については、事業運営のことを考えましょう。
4 不動産については登記簿謄本を取りましょう。
5 生命保険関係を確認しましょう。
6 以前にした贈与について整理しましょう。
7 特に自分のため尽くした家族の存在

上記を整理したうえで、分かりやすい内容のものを作成しましょう。

17.遺言執行者の必要性

1 遺言執行者が遺言の相談から一貫して携わっていれば、遺言者の遺志を忠実に実現することが可能です。いくら遺言で、自分の遺志を伝えたいと思っていても、その真意は伝わりにくいものです。また、遺言を受ける者は、自分の意思で行動します。そこで、遺言者の代わりに動いてくれる遺言執行者が必要なのです。
2 遺言による認知、相続人の廃除には、遺言執行者が法律上必要です。
3 遺言で相続分を定めた場合、たとえばAには2分の1、Bにも2分の1を相続させるといった遺言を書いても、実際にはAとBで、遺産分割でもめることも多いです。遺言執行者がいれば、相続人は遺産分割できなくなり、遺言執行者が遺言にしたがい、具体的な遺産分割を行います。
4 被相続人に借金がある場合・・・誰でも借金を相続するのはイヤです。財産を取得する分には、皆が手を挙げますが、借金はそうはいきません。
相続財産から借金をキッチリ返済するなら遺言執行者を選任しておきましょう。

18.遺言書の検認手続きとは?

1 被相続人が死亡したら、遺言書は家庭裁判所で検認手続きをしてもらいましょう。ただし、公正証書遺言は不要です。
2 検認手続きをしないと、不動産の名義変更などができません。預貯金等は検認手続きがなくても受け取れることが多いです。

19.死因贈与について

1 被相続人が生きている間に、なんとか、自分に財産を遺すよう遺言を書いてもらいたいと考える人もいるでしょう。しかし、遺言はいつでも取り消せますから、遺言を書いてもらったからといって安心できません。また、遺言の場合、保管場所に困ります。遺言者が自分で保管しているが、その保管場所がわからないといったことがあり得えます。
 そこで、活用したいのが死因贈与。死因贈与は、贈与ですから契約です。書面をしっかり作れば勝手な取消はできません。また、契約書なら2通作って、1通は本人、1通は自分が保管すれば安心です。

20.事業の承継も検討していますか?

1 相続をさかいに、事業がおかしくなることも少なくないようです。事業者の方は自分の死後、自分の事業がどうなるかについても責任をもたなくてはいけません。
2 相続対策としては個人事業の場合、会社を設立することが考えられます。個人事業の場合、相続によって事業用財産が分割され、そのため、事業を継続できなくなることがあり、そのような事態を避けるためです。
3 会社(法人)として事業を営んでいるという方も、さらにもう一つ考えましょう。会社の株式や持分が相続をきっかけに複数の相続人に分割して相続される。この場合も、実は会社が傾く原因となりやすいです。事業の運営は、リスクを負いながらも、革新・前進への努力が必要とされます。そういった時に、意思決定が阻害されないように、株式・持分の相続割合については細心の注意を払って下さい。
4 事業の承継は、事業にとっての大きな試練です。融資枠の縮小とそれにともなう融資の引上げ、取引の慎重化など不測の事態が生じないとは言えません。その場合の備えとしての現金確保は、生命保険の利用が一番です。

21.位牌は誰が守るのか?

1 核家族、少子化の進む現在、誰が位牌を守るのか、はっきりさせておくことが大事です。
2 位牌は祭祀財産といい、普通の相続財産とは別個に特定の1人に受け継がせることになっています。
3 祭祀財産を受け継ぐ人は、まず被相続人(故人)が、生前に指定していたのであれば問題ありません。次に被相続人による指定がなく、遺族の間での合意がない場合には慣習、または、家庭裁判所の調停もしくは審判によって決められることになっています。

22.遺言の相談をすべき専門家は?

1 弁護士は法律のオールラウンドプレイヤー。値段は、高めになりますが、各種法律問題に対応できます。また、訴訟手続きの代理もできますので、遺産に関するトラブルを抱えている、あるいはそれが予想される場合は、弁護士に依頼するのが良いでしょう。また、遺言執行者を弁護士に依頼することもできます。
2 行政書士はなんといっても親身、値段の手頃さ、相談のし易いことが特長です。相談者の話を良く聞き、時間をかけて、仕事を行います。遺言の場合、遺言を作成すればそれで終わりというのではなく、その後のケアも大切です。後で気になることが出てきた時の相談にし易さは重要なポイントです。また、行政書士を遺言執行者にすることにより、遺言の込められた遺言者の遺志を遺言者死亡後に実現することができます。これは、遺言から遺言執行まで同一の法律家が担当するからこそできるメリットです。

お気軽にお問い合わせください TEL 098-859-0848 電話受付:月~金 9:00~18:00
FAX・メールの受付:24時間可能

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